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若さの長所、老いの長所。

今週末と、来週末。
某福祉施設でフラダンスをします。

映画「フラガール」のような華やかさはありません。
でも私は、こういう時間が大好きです。

色んなおじいちゃんやおばあちゃんがいらっしゃいます。
なかには、こっちの踊りとは無関係に踊りだされる方もおいでです。 
そういう時の、シワいっぱいの笑顔はとてもお美しいなぁと思います。
きっと、お若かった頃には踊ったり歌ったりがお好きな方だったのでしょうね。

施設によっては、ほとんど反応のないこともあります。 けれども、そんな場所でも・・・
きっと、心の中には何かが届いているんじゃないかって感じることがあります。
「あ、今の視線。 きっと、なにかを感じておられるんだな」って、思うことがあります。

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老いてゆくこと。
とても美しいことなのだと、私はいつも思っています。

もちろん・・・
若い頃のように体が動かなかったり、
なんでもない行動がうまく行かなくなったり。

老いゆえの、はがゆさや悔しさもあるでしょう。
これは自分がまだまだ経験のない部分だから、軽く思えてしまうのかもしれませんね。


けれどやっぱり、
私は、老いてゆくことってとても美しいことだと思っています。
なによりも・・・それだけの年月を歩んでこられたということが、感謝の源です。

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ニュージーランドから来ている友人Jくんと話をしている中で、彼は言いました。

「日本人って、なんでこんなにも若さに拘るのかなぁ。 
 僕はさ、シワってとても美しいものだと思うんだよね。
 その人が生きてきた証だし、重ねてきた経験の表れだし。
 もちろん、若さゆえの美しさってのはあるけれどね。
 年を重ねた人にしか出せない・・オーラみたいなやつ?
 僕はそんなものに、とても惹かれるんだよねぇ。」

ニュージーランドの男性すべてが、こんな考えを持っているわけではありません。
けれど、Jくんの見方は私が普段から感じている気持ちとドンピシャリ!だったので
私はとても嬉しくなりました。

Jくんは美術の知識に長けていて、
とりわけ最近は原住民が生み出してきた物に魅せられているそうです。
私が強い関心を持っているアボリジナルアートについても、詳しく話してくれました。

お互い、どうしてシワに魅せられるのかが・・なんだか分かったような気がしました。
Jくんから、3冊の美術書を借りています。
すべて洋書ですが、写真が豊富で私の細胞をくすぐりまくっています。
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もう一人。アメリカから来ている友人の中に、Cくんがいます。

Cくんも、話をしていると面白い発見が沢山あります。
とても頭のいい人なので、私の「はぁ?」「・・・ぽかーん・・・」ってレベルの疑問にも
丁寧に答えてくれます。 

先日、あることがきっかけでCくんの英文を日本語に直す作業をしました。
日本語の勉強にも、とても熱心なCくんですので・・
このやりとりができたことは、私にとっても、大変ありがたい機会でした。

彼が書いている英文そのものに、まず私は深く感動しました。
言葉の一つひとつが美しければ、その意味も深くて、そして思いの強さが溢れていました。

どんな言葉に置き換えれば・・・
Cくんの、この気持ちが皆さんに伝わってゆくだろう・・・。
いくつかの言葉については、お互いに色んな話をしました。

「どういう気持ちでこの単語を選んだの?」
「この言葉の中に、どういう思いが含まれているの?」
「これだと僕はこう受け止めてしまうけれど・・・日本人はこの言葉にどんな感じを受けるの?」
などなど。 とても楽しい時間でした。
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JくんもCくんも、どちらも随分と年下なのに本当によくデキた人たちです。
・・・って、ここで「年下なのに」っていうこと自体、アタシの心の狭さだな(笑)。

色んなことを深く掘り下げることが、わたしは結構好きなので、
そういう自分のスタンスに合う仲間との出逢いに、とても感謝をしています。

けれど・・・二人はもうすぐ、この地を離れます。
この二人がいなくなるのは、本当にとても寂しいです。


出逢いがあれば、別れがありますね。
いつかまたどこかで、必ずや再会できる日が来ることを信じつつ、
残りの時間を楽しんでいけたらいいなと思っています。

再会の時には、お互いにシワが増えていることでしょう。
「美しいシワが増えたね~」って言ってもらえるような、そんな毎日を送っていきたいな。
by mizzypon | 2009-07-14 17:07


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