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講演メモより ~お笑いジェンダー論~

副題に「お笑い」と記されていただけあって、お話が上手な先生でした(^-^)。
「もしや先生、落語がお好きな方?」と思いながら拝聴しておりましたが・・・
やっぱり、そのようです(笑)。

いろんな笑いをとりつつも、先生のお話は具体的で、建設的で、そして創造的。
これまで学んできた内容に加えて、男性の視点が入ることの大切さ・不可欠さを実感しました。
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以下、講演会メモより。
(先生が取られた「笑い」は、ここでは表現できません。あしからずぅ(笑))

*ジェンダーとは:
 (1)社会的、文化的な性差(子育てができる・できない、など)
 (2)生物学的性差(妊娠し子供を産む性である、など)
 (2)は、動かし様のないことだが、(1)は認識の部分であり、大きく変えられる部分。
 →子育ては母親がするもの、というのは社会が創り出した概念、価値観。

*「高齢」の定義を変えていくべき時代がきている。 
   労働力不足 = 資金(年金、支えるお金)の不足へ。

*高齢化: 「65才以上を高齢とする」という定義は国連で決められていることだが、
 日本のいわゆる「高齢者」はまだまだ元気!就労希望者がとても多く、その意欲も高い。
 →高齢者の職場確保、みんながもっと活き活きと働ける社会作りの必要性。
 →働くことの意義、働くことの楽しみを見出すことが、元気な人生、元気に長生きすることに繋がる。

*年金支給の引き上げが必要な時代では?
 平均的なお金の動き  0~20歳:親の扶養    (人生の1/4)
               20~60歳:自分の稼ぎ   (人生の1/2)
               60~80歳:年金       (人生の1/4)
  人生50年の時代の「高齢」と、人生80年の時代の「高齢」。 この差30年。

*高齢化が進んでいる地域と、夫婦共働きが多い地域の比例度
 (潤っている都心部のほうに専業主婦が多いのは、なぜ?)

*現在の諸手当の問題点: 
 ・専業主婦への手厚い手当(健康保険、年金、配偶者手当など)の落とし穴
   :本当は働く意欲のある主婦が、手当があるゆえに家に閉じこもっていはいないか。
     注)講師の先生は、専業主婦という生き方を否定されているわけではありません。

*・3人に1人が離婚している現代日本。
 「永久就職」や「結婚したら何とかなる」という考えはリスクが高すぎる。 

*しかしながら、今のままの社会システムでは、
 出産・子育てを担う女性の社会参入はまだまだ難しい。

*女性問題、婦人問題から → 男女共同参画への発展
   ×男性社会に、女性の進出を願っての推進活動ではない。
   ○男と女が互いを尊重しあいながら、ともに新しい社会を作り出していくことが目的。


主婦・高齢者がもっと働ける社会をつくるべき。 
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*Q:企業はなぜ、女性よりも男性を雇いたがるのか?
   →男性を雇えば・・・背後に子育てを感じさせないほど、深夜に及ぶまで働く。
   →女性を雇えば・・・出産や子育てを伴い、同じ給料の割には労働力にならない。
この閉鎖的な視点を変えていかなければならない。 

*「共働きが増えたことで、出生率が低くなった」という誤信。 

*出生率の低さ=希望している子供の数とは一致しない。 
 本当はもっと子供を持ちたいと思っている夫婦は沢山いる。
安心して子育てができない社会、希望している通りの子供の数が産めない社会のおかしさ


【林業に見る、具体的なたとえ話】 
伐採のみを仕事にしている林業家 VS 伐採+植林を仕事にしている林業家

伐採のみを仕事にしている林業家の場合:
伐採のみを続ける→材木を創り出す稼働率が高くなる→コストが下がり、安く商品を提供できる→
よく売れる→会社は潤い、さらに伐採が進む。 
・・・しかし、その30年後・・・
伐採のみを続けた結果、見渡せばすべての山々が丸坊主になってしまう! 

伐採+植林を仕事にしている林業家
伐採+植林を続ける→稼働率は伸びない→コストが下がらないので、商品は安くならない→
安い商品に手を出す消費者の増加→会社は潤わない。
・・・しかし、その30年後・・・
伐採と平行して植林を続けた結果、自分たちの周りの風景は30年前と変わっていない。

 この伐採を「働くこと」、植林を「出産すること、子育てすること」に置き換えてみれば・・・
出産・育児に対して、社会やそれぞれの会社が担っている責任の大きさが見えてくる!

 人を雇うということ = その人が家族と過ごせる時間も保障する、ということ。
 「環境にやさしくて低コストな商品なんて、ありえない」のと同じ。
 大切なものを守るためには、それなりのものが支払われるべき。
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男性の産休・育休取得の必要性 
 ・家族の死には、大半の会社が寛容であり、忌引きを取って当然だとされている。
 ・家族の誕生にたいしては、どうだろう
 ・人の死を見通すのは難しいながらも、会社はちゃんとまわっていく。
  人の誕生にあわせて仕事の調整をしておくほうが何倍もスムーズにやれること。
 「生命の誕生」には、夫婦がしっかりと時間を共にもって立ち会えるよう、
 出産予定日の前後は、夫にも1週間ぐらいの「産休」があってもよいのではないか。

*見落としがちな、逆・性差別の例

男性が、もっと肩の荷をおろせる社会づくりを。 
 年間の自殺者3万人が続いている。その内訳は、男性のほうが断然多い。
 →かつては病気などを苦にする人が多かったが、近年は経済負担や責任の重さから命を落とす人が多い。
 →馬車の一頭だてのおそろしさ。 

*「妻子を養う」義務の壁のために、結婚ができない男性が増えている。

*かつての人気:「オレについてこい」タイプ
 最近の人気:「やさしくて、頼りがいのある」タイプ
  ・・・「やさしさ」と「頼りがい」が同時になりたつことは難しい。
    女性は、都合のいいときだけ頼ろうとしないこと。 一緒に悩み、考える姿勢を持つべき。


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by mizzypon | 2009-05-31 22:24


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